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カンファレンス実施レポート③

~プレゼンテーション 第二部 テーマ『まとまる』~

《プレゼンテーション 第二部 テーマ「まとまる」》

株式会社肉のふがね 代表取締役 府金 伸治様

 私どもは創業55年の肉屋です。平成17年ごろから都内で短角牛の販売を開始しております。

短角牛とは和牛の一つで、生産量は和牛の中では1%未満。希少種です。30頭のメスの中へオスを1頭だけ入れ、自然交配、自然放牧、自然繁殖という国内に類を見ない伝統の生産方法と夏山冬里方式を守っています。

 牧草地には塩分を含んだヤマセの風が吹き、草はミネラルを豊富に含み、短角牛はそれを食べて育ちます。出荷時期は生後2年。春が繁殖期なので24カ月後の春においしい季節を迎える国内唯一の和牛でもあります。

 岩手の自然環境を守り、放牧風景や食文化を作ってきた短角牛ですが、県内での生産数はどんどん減っています。私はこれを守りたいと考え、高値で仕入れております。

 価格は通常の和牛に比べて1㎏当たり約1000円安く、価格差があります。赤身肉ならではの付加価値を作り、旬を訴えることができる肉だと発信しているほか、塩と牛肉だけで作る生ハム「セシーナ」の工場も作りました。そして春に旬を迎えるということで春4月29日「肉の日」の11時29分「いい肉の時間」を解禁日と定め、ハムと短角牛を味わう「短角ヌーヴォ」というイベントも開催。観光産業にもつなげていこうと考えています。

 現在、みんなでシェアする短角牛の一頭買いというシステムを検討中です。赤身の評価基準もみんなでつくり、販売数を増大させ、短角牛の未来と、岩手の放牧風景を守ってまいりたいと考えています。

一般社団法人 東北食の力プロジェクト 理事長 佐々木 強太様

 私たちは東日本大震災後にできたチームです。私自身、仙台市内で郷土料理の店を経営していますが、震災後、飲食店仲間とともに沿岸部で炊き出しを行い、多くの生産者様とお会いしました。

 その時、食べている方々の笑顔を見て「食とは本当に大事なんだな」ということを感じました。その後は仙台市内では「街コン」も開催し、震災直後で客が寄り付かなかった国分町に人があふれたのを覚えています。そしてたくさんの方とつながることもできました。

 やがて、沿岸部で知り合った生産者の方から「漁は再開したが販路がない」といったお話を伺い、あらためて食という文化を考え、生産者の思いをどう形に変えていくのかを真剣に考えるようになりました。

 私たちは「食材を高く買って高く売る」ということを目標にしています。私たちの強みは飲食店の集まりであるということ。高くても買う、仕入れが面倒でも買うという仲間たちです。そういう仲間をもっと増やしたい。ぜひ応援してください。

一般社団法人 石巻圏観光推進機構 事務局長 山内 千代文様

 当団体は、石巻市、東松島市、女川町のPRを目的として結成されました。本日は我々の鍋プロジェクトである河北せりと石巻の食材を使った「石巻セリ鍋フェア」という活動を報告させていただきます。

 背景としては冬期間の集客コンテンツを作りたかったこと、そして食のブランドを磨き上げるということです。石巻に来られるお客様の第一の目的は「食事・グルメ」であるというデータがあります。圏内では海鮮丼が名物ですが、夏のイメージが強い。そこで冬ならではグルメを開発し、冬期集客の目玉にしようと考えたのが、石巻市河北地区のおいしいセリを使った鍋です。

 私たちは「地域の独自性」「地元食材の消費拡大」「消費者の興味喚起」「継続と発展」といったチェック項目を設け、シェフ監修のもと、牡蠣と金華サバを使ったしゃぶしゃぶを開発。今年12月6日から1月末日まで、市内12店舗で「石巻セリ鍋フェア」を開催いたします。

 プロモーションとしては、伊達武将隊の支倉常長さんにご協力いただくほか、SNSなどWebサイト、各種メディアやポスターなどのリアル媒体を通じてPRをしてまいります。

《第二部 パネルディスカッション テーマ「まとまる」》

登壇者:府金 伸治様 佐々木 強太様 山内 千代文様

コメンテーター:有限会社秀吉 取締役 近藤 里沙様

ファシリテーター:千葉 大貴

千葉:

 短角牛と岩手の風景を守ろうという府金さん。今日、会場にお越しの皆さんと連携したい点というのはどういうところでしょう?

府金:

 短角牛は自然交配ですので、肉質に不安定さがあり、熟成や屠畜状態などはしっかり管理していきたいと思います。また、シェフの方から「Tボーンステーキ用の肉が欲しい」といったオーダーをいただいても、県内の屠畜業者では対応できず、東京まで短角牛を持って行ってカットしなければ応えられません。ぜひ岩手で、そういった環境を整えながら提供できるようにしてまいりたい。そして、先ほどお話しした「一頭買い」などで短角牛のおいしさをすぐお届けしたい。そういう仕組みづくりについて皆さまのお知恵を拝借できたらと思います。

近藤:

 盛岡市で飲食店を経営し、また「シェフズウォント」という名前で短角牛ほか岩手の県産食材の流通事業も手掛けております。

短角牛は出荷数が少なく、また自然放牧という他にない育て方をしていますので脂質がちがう、価値のある牛だということを、まずは多くの方に知ってほしいです。

牛肉は、人気のある部位はどんどん売れて行く一方、残ってしまう部位もあります。それを在庫とせずどんどん出していけたら、もっと多くの頭数をお届けできるのではないか。そうした現状をシェフや消費者の方にも知っていただきたく思います。  

千葉:

 山内さんは「石巻セリ鍋フェア」の中でJAいしのまきさんと連携されていますが、どんなつながりであったのかを簡単に紹介していただけますか?

山内:

 JAいしのまきさんとはここ何年かご一緒させていただいています。石巻には農家さんもたくさんいらっしゃいますが、津波の塩害から回復したあと、農作物を売る棚がお店にないという事態が起きました。そこで飲食店の店長さん、料理長さんなどと一緒に農業の現場へまいりまして、一緒に作業するなどしました。

 飲食店はリアルなメディアです。皿の上、メニューブックでも表現できる。石巻の食材を使うお店が増えれば増えるほど広告効果は拡大します。そして、店舗スタッフが自分たちの言葉で石巻食材の魅力を語れるようになる取り組みが、このフェアではできたと感じています。

千葉:

 飲食店で情報発信を実践するのはスタッフなんですよね。そういう子たちが理解し、本気で応援したいと思ったときは必ずお客様に伝わる。JAいしのまきの取り組みが特徴的だったのは、通常の流通ではなく直接飲食店に配達していたことです。農家や畑の様子もお客様に伝えたり、語りあったり。それはコミュニケーションなんですよね。

今日のテーマでもある「思いのマッチング」とも適います。

佐々木:

 僕たちは、例えば100円で買ってきたトマトに包丁を入れて500円で売ったりする。でも生産者は何カ月も思いを込めて作っている。そういうことを知れば、たとえアルバイトという立場でも、決して粗末にはしませんよね。生産の現場には、実際、年に何回か行き、その食材について教えてもらいます。すると、その食材を使った料理の売り上げも増えます。お客様にお奨めしている(笑)。こういうことが、我々の仲間のお店でも増えていけばいいなと思ってやっています。

千葉:

 それが「絆テーブル」なんだと思います。JAの職員も直接お店に野菜を届け、調理スタッフと会話することで信頼関係も生まれます。

山内:

 佐々木さんたち「食の力プロジェクト」があったから、JAさんとのお話しもトントン進みました。今回はJAさんから河北のセリや野菜をご紹介いただきましたが、今後は水産関係の方ももっと交えて「オール石巻」で鍋をつくりたいなと思っているところです。

千葉:

 石巻は農地も広い。海と山がコラボできるのが魅力だし、今回はそれができた。

それは石巻に限った話ではなく、実は短角牛でも同様の展開ができるんじゃないかなと思います。

近藤:

 「短角牛一頭フェア」なんてできないものでしょうか? なんて思ってしまいました。

佐々木:

 もしも捨ててしまっている部位などがあるなら僕らが購入してシェフが何かを作れそうです。ゼロ円のものにも僕らが付加価値を付けて売っていくことができたらおもしろいです。

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